手作り絵本が人気のタラブックスへ!@インドチェンナイ

チェンナイ

行った日:2020年3月

タラブックスは、手作業で製紙、印刷、製本された絵本が人気の出版社です。
その絵本は思わず見とれてしまうほど美しく、
アメリカ・ヨーロッパをはじめ世界中に輸出されています。

チェンナイへ行く機会があれば、絶対に行きたい!と思っていた場所で、
あえてトランジットを長めにとって、行ってきました。

英語の絵本だけでなく、日本語版やポストカード、大小さまざまなポスターがあるので
お土産選びにも最適!(インドって小さなお子さん向けのお土産に困るんですよね。
食べ物はちょっと怖いし、小物は作りが雑だったりして…)
ぜひ、お時間をとって行ってみてください。
ちょっと嵩張るお買い物になると思うので、旅のシメに行くのがおすすめです。

タラブックスとは?

1994年創設の出版社で、
2013年ボローニャ最優秀児童出版社賞(アジア地域)
2014年ロンドンブックフェア国際出版業界優秀賞、
といった賞を受賞するなどインド国外でも高く評価され、
日本でも複数の出版社から購入することが可能です。

国際的な人気を誇るタラブックスですが、
オフィスワーカー18人、職人25人と少数精鋭。

タラブックスは現地で雇用を生み出し、
ビジネスとして成功していることも、
タラブックスが評価されているポイントだそうです。

タラブックスの作品

タラブックスの絵本の魅力は、

・ゴンド画の大胆でポップなデザインと色使い
・紙の手触り
・スクリーン印刷による、ほのかに香る盛り上がったインク
・たまにある汚れ

そして、裏表紙には手書きのロット番号が。
この世に1つだけの特別なもの!という感じがして、手元にあるのがとても嬉しくなります。

本好きにはたまりません!
これまであまり本を手に取ってこなかった方にも響くはずです。

■ゴンド画とは
破綻しつつも統制がとれた構図、力強い線、形式化された目、限られた中での大胆な発色、繰り返される繊細なパターンが特徴的な民族画で、インド中央部のマディヤ・プラデーシュ州(チェンナイはそこから南に下ったタミル・ナードゥ州)のゴンド族とパルダーン族によって描かれてきました。彼らは森とそこに棲む生き物に神が宿ると考え(アニミズム:日本の神道をイメージしてみてください)、その姿を家の土壁などに描いてきました。そのモチーフ選びやパターンは描き手の個性が現れるそうです。
その芸術性がインド人芸術家の Jagdish Swaminathan(日本でいえば岡倉天心のような人)によって見いだされ、近年はコンテンポラリーアートとして欧米の美術館でも展示されるようになりました。1989年にはパリのポンピドゥーセンターに進出、日本でも展覧会が行われています。
■スクリーン印刷とは
家庭用インクジェットプリンターが普及する前に年賀状を書かれていた方は、理想科学工業から発売されていたプリントゴッコを覚えていらしゃるかもしれません。シルクスクリーン印刷とはそこで使われていた印刷方式で、
①薄い網(シルクスクリーン)に蝋を塗り、
②インクを付けたい部分にだけ蝋を溶かして穴をあけ(版)、
③印刷したいものと版を重ねて、
④版の上にインクを伸ばすと、絵柄が印刷される
という方法。Tシャツの絵柄や家電やパソコンのプリント基板の印刷に使われています。
この方法ならば(手間はかかるけど)、普通のカラー印刷(オフセット印刷)では
印刷できないような手触りのいい紙に印刷ができ、インクにも立体感がでます。

これらが合わさって、タラブックスの絵本はまさに工芸品!

製本までの製作過程を紹介した公式動画(8分間)があります↓↓

職人さんの見事な手さばき、気が遠くなるような工程数、作業場の雰囲気がよく分かります。
日本語字幕もありますので、ぜひ見てみてください!きっとあなたは欲しくなる!笑

私は何回も見返してしまいました。

※タラブックスには一部、他国の作家とコラボレーションしたゴンド画以外の作品や、
ハンドメイドでない作品もありますが、その内容や製本にタラブックスらしさを感じられます。

タラブックス店内の様子

お店は絵本コーナー、ポスター(版画)コーナー、タラブックスの紹介コーナーに分かれています。

入り口正面がタラブックスと新作の紹介コーナー、右手が絵本の紹介コーナーです。

 

 

 

ここに写っているのは、ドイツ語、フランス語、スペイン語と日本語の4種類。だいぶ色が違いますね。窓際にあったせいで色が褪せいるようですが、手刷りなので元々少しずつ差はあるようです。

安心してください。買うときは倉庫にある在庫から新品を持って来てくれます!1冊1000〜1300ルピー(1500〜2000円)程度です。

 

こちらは、絵本の絵柄を切り出したポストカードのセットです。
バラ売りのものは1枚75ルピー(110円)くらいでした。

ポスターは様々なサイズがあり、5000~8000ルピー(7500~12000円)。インドにお住まいの方なら、街の額装屋さんでオリジナルの額を作ってもらうのもよいかもしれません。

 

そして、忘れてならないのがお会計の後。
レジの横にヤレ(試し刷り、不良印刷)がポストカードサイズに整えて置いてあります。
ヤレなので、いろんな絵柄がランダムに印刷されていてまさに世界に一つだけ。
お気に入りの絵柄のものをいただいて帰りましょう。
無料ですが、ぶっちゃけ、これだけでも十分お土産になるクオリティです!

 

タラブックス滞在時間
30分〜1時間

店内は小学校の教室くらい大きさで、割とこじんまりしています。

私はポストカードを漁ったりポスターを買うか悩んだりしたので、40分ほど滞在しました。

タラブックスへの行き方

場所
9, Kuppam Beach Rd, CGE Housing Colony, Thiruvanmiyur, Chennai, Tamil Nadu 600041

Google mapの位置が正確です!

お店の正面が車の通り道に面していないため、
Uberなどで行く場合は降ろされる前に周りを見回してみてください。
通りから少し入ると、建物の横側が見えてきます。

チェンナイ空港からの所要時間

約15km、Uberで25分(300ルピー)

私は4時間の国内線トランジットの合間に行きました。

帰宅ラッシュが心配だったのですが、道は混んでいたもののゆっくりと流れていました。
しかし空いている時は25分くらいの道のりが、40分くらいかかりました。

※インドの帰宅ラッシュはすごいです。Google Mapはそれを織り込んだ移動時間を教えてくれるので(Google先生すごい!)ネットが使えるなら、経路検索で混雑状況を確認しましょう。

 

営業時間
(2020年4月8日現在ロックダウンの影響で臨時休業中となっており、
営業時間が確認できません。分かり次第更新します)

 

タラブックスの魅力が伝わったでしょうか?
伝わっていると嬉しいです^^
是非行ってみてくださいー!